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「ブロックチェーン・アイランド」

マルタ

なぜマルタにブロックチェーン企業が集まるのか?

イタリアのシチリア島の南の地中海に浮かぶ欧州連合(EU)加盟国マルタは人口50万人にも満たない小さな島国で、面積は東京23区の半分ほど。人口よりも猫の数が多い(70万匹?)ことでも知られ、透明度の高い海や世界遺産にも指定される歴史的建造物が世界中から観光客を呼び寄せており、近年では英語留学の地としても知られるようになってきています。

そんなマルタになぜブロックチェーン企業が集まりつつあるのか?

そもそもマルタは資源に乏しいため、金融やゲーミング産業などを積極的に育成して経済成長を実現する政策を進めています。マルタ国内の全産業に占めるサービス業の割合は約90%。近年では特にオンライン・ギャンブルの世界的ハブとして知られており、300社近いオンライン・ギャンブル企業誘致に成功。2020年の業界売り上げは3兆円を超える規模にまで成長し、マルタ経済への貢献額は1,500億円超、GDPの10数パーセントを占めています。

このゲーミング産業での成功に倣い、ブロックチェーン/仮想通貨にいち早く目をつけ、この産業を2027年までにGDP10%まで成長させることを目指すとしています。

その根幹となるのが、「ブロックチェーン・アイランド」構想。


ブロックチェーン業界に向けた包括的な法的枠組みを整備することで、事業環境の確実性・安定性を担保し、世界中から企業を誘致し始めています。規制や税務面で友好的な政策導入に惹かれ、世界最大手取引所のバイナンスやOKExなどがいち早くマルタに本拠地を移しています。

この法的枠組みとは、2018年7月に策定された次の3つの法律を中核としています。
- Innovative Technological Arrangement and Services Act
- Malta Digital Innovation Authority Act
- Virtual Financial Asset Act

またマルタ金融庁MFSAを筆頭に、ブロックチェーン/仮想通貨業界を選任する新たな組織マルタ・デジタル革新局(Malta Digital Innovation Authority:MDIA)など、監督体制も整備。2019年9月には2021年までに優先して取り組む戦略計画として、マネーロンダリングとテロ資金調達の防止にも注力していくことを発表しています。

この動きの先頭に立つのが、マルタを率いる若きリーダー、ムスカット首相です。
まだ40代半ばで、欧州議会議員を経てマルタ首相に就任。同時にイギリス連邦の事務局長も務める首相は、2018年に国連総会のスピーチで仮想通貨とブロックチェーンの可能性を語ったことでも知られています。

もちろん法整備や口先だけではなく、実際に同国における全ての不動産の賃借契約をブロックチェーン上に登録すること、国内のすべての教育機関で発行される卒業証書や成績証明書などがブロックチェーン上で発行・管理すること、さらには政府の企業登記システム(MBR)にブロックチェーン技術を採用することなど、小国ならではのスピード感で「ブロックチェーン・アイランド」の実現に邁進し始めています。

そんなマルタに世界中からブロックチェーン企業が引き寄せられるのは自然な流れでしょう。

>世界中からマルタに業界人が集結! マルタ・ブロックチェーン&AIサミット

​>マルタのブロックチェーン&デジタル・イノベーションの祭典!デルタ・サミット

>参考:マルタも含め、世界の主要国におけるブロックチェーン/仮想通貨関連規制のレビュー

>参考:Finance Malta のマルタにおけるブロックチェーン/仮想通貨規制まとめ資料

とはいうものの、落とし穴もあります。

ブロックチェーン/仮想通貨関連企業はマルタではまだ銀行口座が開けないという事実は知っておいた方がいいでしょう。ただこれはマルタに限らず、世界的な傾向です。

このためマルタに法人を設立しても、銀行口座としては、いわゆるEMI(Rlectronic Money Institution)を利用せざるを得ないことになります。

​そんな状況を打破するために、ブロックチェーン/仮想通貨企業向けの新たな銀行設立の動きも進んでおり、2020年にはマルタで開業する見込みですので、これらに期待するしかないでしょう。

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